ご先祖様を供養するときの「遡り方」
家系の流れと霊的つながり
ご先祖様の供養を考えた時
多くの方がまず「どこまで遡るのか?」という疑問を持つ方がいます。
家系図を調べても、
離婚・再婚・不明な部分が混ざり、
“どの家系を辿ればいいのだろう?”
と悩むのはとても自然なことです。
しかし、霊界の理(ことわり)を丁寧に理解すれば、
その迷いは静かに解けていきます。
血筋よりも“苗字の家系”を優先する理由
血統よりも“家の縁”が重視される
先祖供養では、一般に「血のつながり」を重視すると思われがちです。
けれど霊界は、物質的な血統よりも心の方向・家の系譜に重きが置かれます。
そのため、
遡る家系は“現在の苗字”に紐づく家を基本とすることが大切です。
なぜなら、古いご先祖様が地上界に心を残している場合、
直接の血よりも、
- その家に流れている系譜
- 家・土地・苗字の行末
に関心を持つことが多いためです。
他、死の近くが乏しい(古いご先祖さまでは少ない)死後の世界の知識がなく、仏壇にいるもの、墓に行くものと勘違いされているケースもあります。
離婚・再婚で家系が混ざる場合の見方
霊界では「心で結ばれた縁」が優先される
離婚や再婚で家系が変わったとき、
“どちらの家系を供養するべきか”迷う方もいます。
霊界は心でつながる世界です。
もし、現在のあなたに強く寄り添うご先祖様がいるなら、
その理由は次のどれかに当てはまります。
- 心の交流があったご縁(直接・間接を問わず)
- あなたを守る必要があって寄り添っている
- 過去の因縁がある
その場合は単に“家系図上のつながり”ではなく、
人間関係・霊的関係性の両面から霊査を行う必要があります。
どこまで遡るべきか?基本は「四代前」まで
執着は、時間とともに自然浄化していく
一般的な霊査では、
四代前(高祖父母)までを目安にしています。
もちろん、
祈念する際はご先祖さま全体へ向けてさせていただくのですが
個別に状況を知りたいという方に限って、四代前までとしています。
その理由は、
- 子孫の懸命な生き方を見て心が変化する
- 守護霊・指導霊の導きで自然に浄化されていく
- 霊界では学びが進むことで執着が薄れていく
といった霊界側の“自然治癒力”が働くためです。
それでもなお地上界への干渉が続く場合、
強烈な執着や未解決の感情が残存している可能性があります。
加えて、当時の社会情勢・歴史的事件・家系の損失など、
複数の要因が重なっているケースも多く見られます。
そのため、このようなケースでは、
より慎重で丁寧な霊査・調査が必要になります。
ご先祖様への祈り方「叶えたい願いを祈らない」
特に「守ってください」と祈らない方がいい理由
ご先祖様は、私たちの願いを叶えるための存在ではありません。
霊人が物質界に影響を及ぼせる範囲は、とても限られています。
そのため、
「助けてください」「守ってください」と願いを向けると、
ご先祖様の側に心苦しさや無力感が生まれてしまうことがあります。
実際に、
苦難に直面する子孫を見て涙するご先祖様もいらっしゃるほどです。
ですから、祈る時は、
霊界で学びを深めているご先祖様の道が
どうか光に満ちていますように──
そんなふうに、その旅路をそっと応援してあげる心が大切です。
真の供養とは「感謝」と「生き方」で示すこと
供養の本質は“祈る人間側のあり方”にある
- この肉体を受け継いだこと
- この家にご縁をいただけたこと
- この時代に生きる環境を与えられたこと
それらへの報恩の思いを胸に、
“心をまっすぐに生きる姿”を見せることこそ、
ご先祖様を最も安心させ、霊界での学びを支える力になります。
たとえあなたが、
“不幸な家系”に生まれたと感じていたとしても、
子孫であるあなた自身の心の変化は、確実に家系を明るい方向へと導きます。
また、迷いを抱えたまま霊界にとどまっているご先祖様がいたとしても、
あなたのまっすぐな生き方や心の浄化は良い波動となって
その方を救い、安らぎへと導く力になります。
そしてその積み重ねは、
やがて家系全体の運命を静かに、しかし確実に変えていくのです。
まずは、
「生かされていることへの感謝」
ここに心を向けることが、
真の先祖供養のはじまりです。
家系を整えるとは、心の方向を整えること
私たちが心を澄ませ、
与えられた環境を丁寧に生きようとするとき、
その光は時空を越えてご先祖様にも届きます。
そしてその光は、
家系を浄化し、未来へと続く流れを優しく整えていくでしょう。
どうか日々のあなたの歩みが、
ご先祖様の安らぎとなり、
あなた自身の道しるべともなりますように。
